【芥川賞】送り火(高橋弘希)の感想&ネタバレあらすじを紹介

こんにちは。スリアです☆

第159回芥川龍之介賞に、高橋弘希さん『送り火』が受賞しました。

『送り火』の感想やネタバレ&あらすじをいち早くご紹介します。

【芥川賞受賞作】送り火(高橋弘希)のネタバレあらすじ

 

芥川賞受賞小説「送り火」のあらすじをご紹介します。

主人公は東京から山間の町に引っ越してきた中学三年生の歩。

場所に馴染み、生徒数が少ない中学校で、すぐにクラスに溶け込んだはずでしたが、その閉鎖的な空間で、驚くべき陰湿ないじめ、暴力が秘められていることを悟ります……。

 

高橋弘希「送り火」(「文學界」5月号)は、両親とともに青森県の平川に転居し、来春に廃校が決定している地元の中学に通うことになった中学3年生の歩の物語である。

彼と同じ学年には他に12名の生徒しかいない。父親が転勤族のせいで何度も転校を繰り返してきた歩は、学校生活をどこか達観している風であり、新しい環境に溶け込むことに長(た)けている。

彼はすぐに同学年の男子生徒5人と仲良くなる。

リーダー格の晃には意志の強さと行動力があり、歩の推薦で学級委員長に選ばれるが(歩も晃の指名によって副委員長になる)、時おり異常とも思える暴力性を見せることがある。

それはしばしばやはり同級生の稔に対して発揮される。

以前、晃の稔への仕業が事件になりかかったこともあるのだが、それでもなぜか稔は歩たちのグループの一員として日々つるんでいる。

途中までは、ありきたりと言ってもいい「田舎に転校した少年の話」が、この作家ならではの濃密な描写とともに続いていくのだが、花札を使った「燕雀(えんじゃく)」という遊びが出てきたあたりから、不穏な空気が漂い始める。いつも必ず晃が胴元なのだが、歩は彼が巧みに札を操作していることに気づく。

そしてほとんどの場合、稔がドボンになり、残酷な罰ゲームを強いられる。

だが晃は教室で稔を故意に無視したクラスメートを殴ったりもする。

稔はいつも半笑いで、晃に命じられるがままでいる。

だが少しずつ歩たちの日常は失調していき、やがておそるべきクライマックスが訪れる。

高橋の小説にはこれまでも、静けさを喰(く)い破って突然顔を出す凶暴さ、とでも呼ぶべき事態が描かれてきた。だがとりわけ、この結末は凄(すさ)まじい。

僻地(へきち)の少年たちが暇つぶしに行う異様な遊戯という域をはるかに越えて、そこには世界そのものの否定性が宿っている。

若手作家の中では際立って粘り気のある文章力もあいまって、ともすれば「文学臭」が過剰に思える部分もあるが、意欲作であることは間違いない。

出典:西日本新聞「文芸時評」より引用

 

芥川賞作家・高橋弘希プロフィール

高橋 弘希(たかはし ひろき)

生年月日:1979年12月8日

職業:小説家、ミュージシャン

出身地:青森県十和田市出身

最終学歴:文教大学文学部卒業

予備校講師として勤務しながらミュージシャンとしても活動。

ロックバンドにて、作詞、作曲、ボーカル、ピアノを担当。

2014年「指の骨」で第46回新潮新人賞受賞し、作家デビュー。

同作で第152回芥川賞候補、第28回三島賞候補。

2015年「朝顔の日」で第153回芥川賞候補。

2016年「短冊流し」で、第155回芥川賞候補。

同年『スイミングスクール』で第30回三島賞候補。

2017年『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』で第31回三島賞候補、第39回野間文芸新人賞受賞。

『送り火』は芥川賞4回目のノミネートで受賞に至りました。

 

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【芥川賞】送り火(高橋弘希)の感想&レビュー

さっそく読んだ方のレビューがネットに掲載されていたので、引用させていただきました。

 

中3の夏、父の転勤で東京から山間の町へと引越してきた歩。

目を開けるのも辛い程照り付ける夏の日差し、温度、匂い、風景を体感している感覚になる程に、主人公の視点を体験させる高橋さんの見事な筆致に導かれ、夏休み気分を満喫していると、友人たちの微妙な齟齬と、思春期の危なっかしい暴力性がぽつりぽつりと不穏な陰を差し始める。

牧歌的で情緒のある世界から一転、禍々しい悪意と残虐性に満ちた赤黒い血の充満するラストへの疾走は圧巻。

出典:https://bookmeter.com

 

じわりじわりと滲ませながらも、それぞれの想いが零れ出さないよう、慎重に抑制されたストーリー展開も見事。

暴力によって圧制する人間、ただただ笑ってやり過ごすしかない人間、全体像を知りながらも事なかれ主義で自分には罪がないと思う人間。そのバランスが崩れる時、驚愕の瞬間が訪れる。

閉塞的な田舎に生きる人々と、またここを去っていくある種の無責任さを纏わせた通り過ぎる人の交わりきらない世界。

人間の本能が火と共に爆ぜ、鬼火となりゆく景色が見えるようで心が粟だった。

出典:https://bookmeter.com

 

文学と暴力について『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』に書かれていたことを思い返していました。

大江健三郎など近代文学の作家はセックスや死や暴力に対して主体的に取り組んでいた、時代が変わり村上春樹は違うものを書こうと思った、だけど行き着く先は結局そこだった、と。

本作における田舎の風景描写は目に迫ってくるような秀逸さで、それゆえにその土着の暴力性というのが却ってありありと実感させられ、読後は唖然としてしまいました。

出典:https://bookmeter.com

 

終盤はあまりの事に呆然。ずっと息を詰めながら読んでいた。第159回芥川賞候補作。穏やかな雰囲気の中にどことなくジリジリとした不穏さが見え隠れしていたので身構えてはいたが、それを超えられてしまった。

さらに主人公に放たれたあの一言に恐怖の頂点が。

こういったことが全然有り得なさそうかというとそう思えないところがまた怖い。

その土地土地には受け継がれている因習があるだろうし、子供の世界独特の思慮に欠けるものがあったりするだろう。

緻密な描写がこれでもかってぐらい纏わりついてきて、目が離せないほど没頭してしまった作品。

出典:https://bookmeter.com

 

閉鎖的な田舎のおどろおどろしい世界。。目を背けたくなる暴力描写。終盤の手に汗握る展開。突き放すラスト。たまりませんなあ!?

出典:https://bookmeter.com

 

少年の饐えた狂気は、土着した狂乱の譜を奏でていた─。

えずく頭で全てを腑に落とした刹那、高橋弘希に怖気立った。

追随を許さぬ天賦の筆力を具した作家であることを、もはや私は疑うまい。★4.5/5

出典:https://bookmeter.com

最後に

ミュージシャンとしてもバンド活動をされているという高橋弘希さん。

その風貌からもミュージシャンで作家としても芥川賞を受賞するなどした、辻仁成さんを思い出しました。

芥川賞をきっかけに他の作品にも注目が集まりそうですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました☆

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